7才を過ぎた頃から見直すべき犬の健康管理とは
あなたの愛犬は幸せなシニアライフを過ごせていますか?
小さな変化は大きなサインかもしれません。
年齢とともに生活に変化が見られるようになる
目に見える変化
- 毛の色が白くなる
- 筋肉量がへり、肉にたるみが出る
- 寝る時間が増える
- 息切れ
- 足の震え
- 元気がない
行動の変化
- 物にぶつかる
- 階段を嫌がる
- 散歩に行きたがらない
- 食欲不振
- 触ると嫌がる
- トイレがうまくできない
- 寝る時間が増える
ある日突然、愛犬の変化に気づくことがありませんか?
犬の生涯はあっという間。
小さな変化を見過ごさないようにするのが、今後の健康管理にとって大切なことです。
シニア犬と暮らしていくわたしたちができること
変化を逃さない
ただの老化現象かもしれないし、じつは大病かもしれない。
迷ったときは動物病院に相談してみましょう。
老化が進むとどうなるかを理解する
- 免疫力が衰え、病気になりやすくなる
- 疲れやすくなる
- 学ぶことへの飲み込みが衰える
いつもできてたことが急にできなくなるなど、飼い主がイライラしてしまうこともあるかもしれません。
言葉が通じないからこそ、飼い主であるあなたができることを考える時間が必要です。
同じ年のシニア犬でも差を感じるのはなぜか
時々散歩で出会うワンちゃん達
すれ違いざまに飼い主さん同士で会話をすることってありますよね
わたしは大抵、「何歳ですか?」と会話を始めます。
そして気がつくのです。
シニア犬に見えないほど若々しいワンちゃんが多いことに。
生物学的年齢と身体的年齢
飼い主が愛犬の”健康に気を配れているか”で生物学的年齢に変化が見られる
人間でも見た目や身体年齢が若い方が多くいらっしゃいます。
健康的で若々しい人々の共通点は食事や運動、充実した日々を過ごしてストレスの少ない生活を送っています。
これはペット、愛犬にも同じことが言えます。
大切な愛犬が身体年齢よりも若々しくなるためにはどうすればよいのでしょうか。
老化を感じるのは”ある日突然?!”と感じる訳
犬の老いの速さはあっという間。
人間の1日を犬に例えると4日ほどのペースで過ぎていきます。
犬種や大きさで異なりますが、寿命を考えるとあっという間です。
1年でいうと、7年という圧倒的な速さで時間が過ぎていきます。
気が付いた頃には、飼い主の年齢を遥かに超えてしまっているのです。
そう考えると、一日一日がかけがえのない時間だということに気が付きます。
犬の年齢計算式
小型犬と中型犬は、最初の2年で24歳になり、3年目以降は1年に4歳づつ歳を取ります。
24+(犬の年齢-2年)×4
大型犬は、最初の1年で12歳まで成長し、2年目以降については7歳づつ歳を取ると言われています。
12+(犬の年齢-1年)×7
ストレスの原因を作ってはいませんか?
ストレスは老化を早めるというのは人間も一緒。
介護ストレスは相手にも伝わります。
できないことをやらせるのではなく、できるように合わせてあげることが大切です。
- 足の速さが遅くなったのなら、ゆっくり歩く
- 散歩の距離を短くしても、回数は減らさない
- 硬いご飯が食べるのがつらそうなら、柔らかいものに変える
- 散歩を嫌がるなら、抱っこして外に連れ出し、新鮮な空気だけでも吸わせてあげる
”甘やかす”と”手助け”の違い
犬とのコミュニケーションは言葉よりも、毅然とした態度や合図によるものがほとんどです。
言葉を理解しているようですが、声のトーンや態度で怒っているか喜んでいるのかを感じ取っています。
- できることはやらせる
- 失敗しても怒らない
- できたら褒める
- 幸せに過ごして行こうねと心で呼びかける
想うことは何よりも大切で、行動にも表れます。
ただ長生きを想うのか、これからの時間を濃いものにしたいのか。
望むことを想いながら接して生きましょう。
健康管理
柔らかいドックフードに変えるとき
いつも美味しそうに食べていたドックフード。
ある朝、いつものようにお皿に入れたのに食べようとしない。
その時の様子を観察してみると嚙み砕く瞬間、驚くようなしぐさを見せる場合があります。
嚙み砕く音に驚いたのか、虫歯が原因か、飲み込んだあとにむせることも多くなった場合は、”食べにくい”の合図です。
手づくりご飯
食べさせてはいけない物をチェック
ワンちゃんによってアレルギー反応が現れることもありますので、細心の注意が必要です。
関連記事:ちゃんと理解しよう。犬に与えてはいけない食べ物とは?!
犬の腸は人間よりも短いので、消化をうながすよう食材は細かくし、柔らかいものを与えましょう。
ドックフード(ドライタイプ)の場合、犬の頭のお皿の大きさ分でよいとされていますが、
手づくりご飯の場合でふやかした物で水っぽい物の場合は、やや多めにあげてみましょう。
量が多いように感じる場合は与える回数を増やし、定期的に体重をチェックして痩せすぎ、太りすぎないよう気をつけましょう。
適度な運動
寝る時間が増えて、散歩に行きたがらない。
それを放置してしまうと外に出る機会が減ります。
必ず外で少しの時間でも散歩をしたり、他のワンコとのコミュニケーションをとったり、新鮮な刺激を与えましょう。
共に歩くことは飼い主とのもっとも大事なスキンシップです。
無理強いをせず、抱っこできる大きさの子であれば抱っこしたり、大型、中型犬ならドライブや荷台を利用して外に連れ出してあげましょう。
寝床
衛生面をしっかり整えましょう。
老化が進むと肌荒や、抜け毛が多くなる場合も。
寝床は清潔にして病気を予防しましょう。
段差に気をつける
足の震えが目立ってきたころから、段差の上り下りが困難になってきます。
トイレの段差や階段、玄関など怪我しないように段差をなくす、バリケード設置するなど気を配りましょう。
目や耳の異変
歩行の際に物にぶつかることが増えたら、足元には物をおかない、クッション材でぶつかっても痛くないようにするなど工夫をしましょう。
名前を呼んでも反応が薄い場合は、タッチで合図をし、危険を減らす合図をしてあげましょう。
目の異常や目やにがひどい場合は動物病院で診てもらい、洗浄液で目の周りをキレイにしてあげましょう。
体のチェックはスキンシップで
ブラッシングや爪の手入れを怠らない。
散歩中にノミやダニにいち早く気が付くために、ブラッシングや体を触って清潔にしてあげましょう。
お庭に繋いでいるワンちゃんは特に注意が必要です。
老化が進むと肌の調子も悪くなりやすいので、皮膚病やイボのような物が出やすくなります。
円形脱毛症のような状態になると、毎日薬用シャンプーで洗うはめになりかねません。
それを防ぐには細目なスキンシップをとり、清潔にして体の変化を見逃さないようにしましょう。
まとめ - Summary of the information –
お金をかけなくとも、このような小まめな気遣いをしていれば病気を防ぎ、愛犬とのシニアライフを過ごせます。
実際に私にも15才になるミニチュアピンシャーがいます。
病院の薬で頼る日々もありましたが、長期続けたために副作用になやまされたこともありました。
ペットの医療費は高いので、どうすればいいのか悩むこともたくさんありました。
必ずしも医療の力だけに頼るだけでは解決できない問題もあると気づかされることも多いです。
なるべく病院のお世話にならず、ストレスのかからないシニアライフを築くのは”小さな変化を見逃さない”ことだと感じています。
犬の最後は幸せであって欲しい
近所に住んでいる同じ年頃のワンコが、飼い主の手が行き届かなく放置されているのを目の当たりにしたとき、
ショックで胸が張り裂けそうになった経験があります。
そのワンコは体が大きくてちょっと強面だけど、人懐っこい愛嬌のある可愛いワンコでした。
駐車場に繋がれたまま、散歩は徒歩1分もかからない隣の公園で用をたすだけの毎日。
私は家で仕事をしているので、失礼ながら毎日の様子が入ってくるのです。
毎日、大きな声で元気よく吠えることの多かった彼の声が、最近調子の悪そうな音になっていました。
気になって様子を見に行ったときの姿は痩せた体に大きなイボでき、呼吸もしずらい様子。
硬い食べ物を食べられない状態は明らかなのに、目の前にはドライフードが置かれたまま。
また会いに来るからねと声をかけてその日は帰りました。
翌日、夜中に悲し気な遠吠えが聞こえました。
気になって眠れなかったのを覚えています。
それが彼の最後の時を迎えた合図だったと知ったとき、
涙とともに苦しい気持ちが溢れて犬の幸せって何なんだろうと考えさせられました。

すべての犬、猫、ペットを飼うからには、幸せであって欲しい。
近所のあのワンコ。
大きくて、キレイで、立派なワンコでした。
彼のいない駐車場を見るたびに、あの日のことを思い出します。
彼が生まれて歩んできた人生は駐車場とすぐ横の公園だけの距離で終わってしまったことを
私は忘れない。
望まない大きさになったからと言って、こんな飼い方をされるなんて。
とても胸が痛いのは、それを不幸と思わず、
嬉しそうな足取りで、3分もかからない散歩の時間を幸せそうに
はしゃいでいる姿を見た時は、心が張り裂けそうでした。
ほんの数分。これが彼の一生分の距離。
このようなワンコがこの世からなくなりますように。