犬に緊張感がバレてるワケ。原因は体臭にあり?!

犬に緊張感がバレてるワケ。原因は体臭にあり?!

苦手なことに直面すると緊張、警戒すること、ありませんか?
平静を装っても体内では心拍数があがる、汗をかく、喉が渇くなど、大忙し。
人に悟られないと隠そうとしても、犬にはバレバレ?!
というお話をしていきたいと思います。

犬が急に吠え出す、暴れだす、走り出す、噛みつこうとするなど、
問題行動がある場合に、もしかしたらあなたの緊張が引き金になっているかも?しれません。

人間の緊張と犬の行動を冷静に判断してみましょう。

犬
最近お友達になったワンコ。最初はお互い緊張してオドオドしていました。

なぜ犬には嘘が通用しないのか

犬が先に反応するのは、鼻、目、耳の順と言われています。

匂いを嗅ぎ、表情を読み取り、声の反応を聞く。というような感じです。
たとえば、犬が他の犬を見て吠える習慣があるとしましょう。
目の前に散歩中の犬を見つけました。
あなたは自分の犬が吠える!とわかっているので、緊張します。
犬は、あなたが緊張しているので、吠えます。

人が反応している。それこそが、犬にとって異変であり、危険だと感じてしまうのです。


人の汗は2種類

人間の皮膚には汗腺という器官があり、そこから汗が出てきます。
汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺があり、体温調整でかく汗は99%が水です。
じつは汗そのものは無臭なのです。
驚きです。
しかし、それもタイムリミットがあります。

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汗が臭くなるまでのタイムリミットは5~6時間

汗をかいてから5~6時間ほどすると
肌の表面に存在する細菌(常在菌)が汗をエサにして増殖
これが汗臭い原因になります。
しかしこれは普通の汗臭さ。
犬は人の汗臭さを感知してはいるものの、
人のように臭くても嫌な態度はとらないでしょう。
汗臭いことに偏見を持たずに愛情を示すのは
犬くらいだと嘆くお父さんもいるかもしれません。
香水たっぷりでも、犬は嫌な態度をとることはありません。

この時点で犬に”緊張感”を知られることはありません。
運動や温度調整でかく汗は、緊張している時の冷や汗ではないからです。

先ほど述べたエクリン汗腺とアポクリン汗腺。
このエクリン汗腺とアポクリン汗腺から出る汗にはそれぞれ
異なる仕組みが備わっています。

エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違い

エクリン汗腺
全身のほとんどに分布。
主に体温調節のために汗を出す汗腺で、分泌される汗は無味無臭。
運動や辛い物を食べた時に出る汗も無臭。
しかし、時間がたつと皮膚の細菌が増え、悪臭が広がる。

アポクリン汗腺
ワキの下に多く分布。
毛根に開口部があり、アポクリン汗腺から出る汗は白く濁っていて、
脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含んでいる。

暑いときや運動をしたときに体温調節のためにかく汗はエクリン汗腺から出ており、
分泌されるときは無臭です。
ところが、アポクリン汗腺は分泌時からニオイ成分を含んでいるため無臭ではありません。

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どのような時にアポクリン汗腺から汗がでるのか

ストレスや緊張など精神的な刺激によりかく汗はニオイが強いため、
臭覚が優れている犬はとっさに反応する傾向があります。
人は冷ッとしたり、緊張やストレスで脇汗や手汗をかくと、
特別なニオイが分泌されて匂っているのです。

  • ストレス
  • 緊張
  • 精神的刺激

 

女性のほうが嗅覚が鋭い。は本当

犬はもちろんですが、女性も負けてはいないようです。
脳のつくりでいえば、男性よりも女性の方がニオイを処理する細胞の数が多いことがわかっています。
まれに男性の中にもニオイに敏感な人がいるのも事実ですが、
生まれ持って女性のほうがニオイに対して反応する体質のようです。

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嘘をつくと汗がでる。
女の勘で浮気を見抜いた!(バレた!)
そんな場面でも、観察力に加えて普段とは違うニオイが
浮気を悟られる材料になっている。
そんな実体験がある人も中にはいるかもしれませんね…。

緊張からくる汗は防衛反応

アポクリン汗腺からの汗は、動物に備わる臭腺のなごりのようなもので、
スカンクなどのように敵から身を守るために強いニオイ液を分泌し、敵を撃退したりする役割に近いのです。
体内で”非常事態だ!ヤバイよヤバイよ!”とパニックになった時の汗が
人の百万倍~一千倍の嗅覚を持つ犬にはバレバレ。
緊張や冷や汗をかいている人が目の前にいれば、
犬も”どうした?!なんか匂うぞ?!”と反応するというワケです。

犬
時間をかけてニオイを嗅がせたら、怖がらずに近づいてくれました。

もしも愛犬の前に犬嫌いが現れたらの対処法

飼い主が最悪の事態を想像して心配して緊張すると、
さらに犬は両方からの緊張臭で大パニック!
そんなときは飼い主の平常心が犬の心を穏やかする唯一の方法です。

暴れたら待つだけ
大きな声で叱るのは逆効果。
名前を呼んだり、ダメ!という大声は
かえって犬を興奮させるだけ。
パニックの犬を叱っても効果がないのは言うまでもありません。

叱るのではなく、気づかせる
ただ胸をはり、堂々とリードを制御します。
力を入れすぎず、前のめりになる愛犬を落ち着かせます。
まったく効き目のない時は、リードを一瞬グッと引いて合図します。
そしてじっと静かになるまで、ただ待ちます。
あなたがじっと静止していれば、犬もあなたを信じて静止するはず。
愛犬を信じて、ただ黙って待つだけでいいのです。

ミニピンの背伸び1
待てばいいのです。何事も焦らず騒がす。
ミニピンの背伸び2
体を伸ばせば緊張なんて何処かへ飛んでいくようです。

人が思うほど犬は賢く、愛すべき存在
訓練された犬は、麻薬や爆発物の発見、
犯人の匂いを嗅ぎ分けたり、介助犬など大きく人間社会に貢献しています。
さらに、健康な細胞と癌(がん)細胞を区別するごくわずかな分子変化さえも判別できます。
日常でも、人の緊張の汗、異変に気が付くことができるのです。
環境によりその力を活用できる場面は様々ですが、
言葉では伝えられないけれど、あなたのこと、人の事を嗅覚を通して
犬は想像以上に感じ取っているかもしれませんね。