進化の過程で失われた能力。
それは人体が必要とする9種類のアミノ酸の生成。
食べることでしか吸収することができません。
食の幸福感は、
ここから始まっていると思われます。
もしも生成できる能力が残っていたら、
人類の食べ物への興味は大きく変わっていたでしょう。
そもそもアミノ酸とは何か?
アミノ酸は窒素を含む化合物で、
タンパク質やペプチドの構成成分となります。
タンパク質分子→鎖で繋がれたアミノ酸のかたまり。
食べ物を食べる→タンパク質分子が分解→短い鎖で繋がれたペプチドが形成される
さらに消化されるとペプチドの鎖がなくなり、アミノ酸へと変化した分子が遊離。
アミノ酸に分解されると、DNAからホルモンや神経伝達物質まで、
非常に多くの重要な分子の生成に関わります。
自然界には多くのアミノ酸が存在していますが、
体に必要なアミノ酸は20種類。
そのうち、体内では合成できないものが9種類。
これが必須アミノ酸という、食べ物でしか摂取できないアミノ酸です。
残りの合成できる非必須アミノ酸とに分類されています。
また、必須アミノ酸には、筋肉の合成や傷の修復に必要な、
分枝アミノ酸や芳香族アミノ酸などがあります。
必須アミノ酸/分枝アミノ酸/芳香族アミノ酸:食べ物での摂取
非必須アミノ酸:体内で合成できる
必須アミノ酸が一つでも欠けると体タンパクを構成することができないため、
非常に重要な栄養素といえるでしょう。
アミノ酸にはスコアがある
必須アミノ酸が食物にどれだけ含まれているかの
質の評価に、
「アミノ酸スコア」があります。
各食材の必須アミノ酸を基準となる評価パターンと比較するものです。
足りていない”アミノ酸を第一制限アミノ酸”と呼び、
それを多く含んでいる食べ物を一緒に摂ると、完璧!
たとえば精白米で例えてみましょう。
ご飯が食べたい。白米だけを食べよう!と仮定します。
精白米の必須アミノ酸のうち、1つだけ少ないアミノ酸があります。
それは、リシン。他は100%。
しかし、リシンだけが81%と、少しばかり足りていないため、
リシンは第一制限アミノ酸となります。
精白米だけでは足りていない。
すべてのアミノ酸を摂取するには、リシンが残り19%。
つまり、他の食材を食べればOK!
そんな感じになります。
なんとなくわかりましたでしょうか?
アミノ酸スコア。足りてないものを名指しして、
それを含む食物を一緒に食べましょう。
そんな風に捉えてみました。
ちなみに鶏卵は必須アミノ酸100%です。
精白米を食べようが食べまいが、100%。
※時々みかける、ドラマや映画でマッチョが生卵を飲んだりするシーン。納得です。