アントシアニン-Anthocyanin-
身近な野菜やハーブから摂ることができる栄養素アントシアニン。
アントシアニンとはポリフェノールの一種で、
植物が有害となる紫外線などのダメージから身を守るために作られるフィトケミカルです。
※フィトケミカルとは植物に含まれる科学物質のこと。
自然界には様々な種類のアントシアニンが存在しており、その数は500種以上も発見されています。
主に天然の着色料として利用されていますが、健康効果にも大きな働きがあり、
特に目の疲れの多い私たちの強い味方となってくれます。
アントシアニンの働きとは
アントシアニンの主な働き
- 天然色素
- 視覚機能の改善
- 抗酸化作用
- 花粉症予防
- メタボリックシンドロームを予防
天然色素の着色
なんといってもアントシアニンの身近な利用方法は”梅干し”です。
梅干しを想像しただけで口の中が唾液でいっぱいになってしまうのは日本人だけでしょうが…(-ω-)
あの色は赤ジソのアントシアニンに含まれるシソニンの色素着色によるもの。
天然の色素なので、安心・安全!
アントシアニンは食品分野での需要も高く、様々な加工食品の着色にも利用されています。
クエン酸で作る赤ジソジュースはまーさんやいびーん!
(美味いんだよ!)
いきなりうちなーぐち(沖縄方言)でごめんなさい。
興奮してしまいました。
あなたも興奮してしまうかもしれない赤ジソジュースの作り方はこちらです。
目の疲れに効果的
なぜアントシアニンが目にいいのか。
それは目の仕組みにあります。
人の目は”ロドプシン”というタンパク質で光を感知。
”ビタミンA”で画像化しています。
しかし、光を感知すると同時にロドプシンとビタミンAは酸化。
光で物を見ては、消耗してしまう・・・といった仕組みなのです。
アントシアニンの抗酸化作用でバックアップ
アントシアニンには抗酸化作用があるのと同時に、
網膜に栄養を運ぶ毛細血管の血行をよくする働きがあるため、
目の疲れや眼病予防、視覚機能の改善の働きがあります。
光により物を見る→ロドプシン、ビタミンAの働きで脳に画像信号が送られる→
目が疲れると信号伝達がにぶる→
アントシアニンの抗酸化作用で酸化を抑える→
目の毛細血管の血流を促す→
ロドプシン、ビタミンAの再合成促進
この仕組みが目の疲れや眼病予防にいいとされる理由です。
白内障・緑内障の予防効果
眼圧がなんらかの理由で高くなったり、目の水晶体が紫外線などによるダメージで酸化ストレスを受けると、
眼病のリスクが高くなります。
酸化ストレスは、喫煙や栄養不足をはじめとする生活習慣や、紫外線によるダメージが原因で発生。
アントシアニンの持つ抗酸化力がこの酸化ストレスと戦うことで、眼病予防に役立っています。
花粉症予防
体内に入ってきた花粉を体の外へとヒスタミンという物質が働き、
洗い流そうとすることでくしゃみ・鼻水・目のかゆみといった、花粉症の症状が引き起こります。
アントシアニンにはヒスタミンを減少させる働きがあり、
花粉症予防になるという仕組み。
マウス実験でも実証されており、花粉症予防に期待されています。
沖縄に住んでいると花粉症予防とは無縁ですが、油断は禁物!
“モクマオウ”“リュウキュウマツ”や、“サトウキビ”などの花粉には要注意です。
メタボリックシンドロームとは何か
メタボリックシンドローム。またの名を内臓脂肪症候群。
近年のうちなーんちゅには聞きなれた言葉かもしれませんね。
長寿の島と言われていた時代が幻となった今、深刻な問題のひとつです。
食べ過ぎ、飲みすぎ、運動不足が原因で内臓脂肪がたまりやすくなり、
高血糖・高血圧・糖尿病・動脈硬化など、様々な生活習慣病の要因となります。
アントシアニンにはこのメタボリックシンドローム予防となる働きがあり、
脂肪の合成が低下する・内蔵脂肪・血液中の脂肪の蓄積が抑えられる・血糖値の上昇が抑えられるという優れものなのです。
血圧の上昇を抑える効果、動脈硬化を抑える効果も報告されていることから、生活習慣病の予防にもなるというわけです。
アントシアニンを含む主な食材
- ハンダマ
- 紅イモ
- ベリー類
- プルーン
- カシス
- ナス
- 黒豆
- ブドウ
- 紫イモ
- 紫キャベツ
- 紫たまねぎ
- 赤ジソ
上手な摂取方法にはコツがある
意外にも身近な食材から摂取することがわかります。
ところが、アントシアニンの落とし穴は”大量に摂取しても意味がない”という注意点があります。
目にためられるアントシアニンの量は決まっている
目の働きに効果があるアントシアニンですが、体内に吸収されると、
24時間以内に尿と一緒に体の外へと排出されてしまいます。
幸いにも上記にある食材はどれも身近な食材です。
βカロテンにも同じ働きがあるので、野菜を取り入れた食事を心がけましょう。
- 毎日の食事で無理なく摂取
- 野菜を洗う時間は短めに
- 水に溶けやすいので汁ものや煮物など調理法の工夫
あれこれ考える前に、やっぱこれでしょ。赤ジソジュース。
まとめ - Summary of the information –
目を使いすぎると視界がぼやけたり、病気になりやすくなったり、眼病のリスクが高くなります。
目の病気や障害は年齢とともに避けられない病気のひとつ。
アントシアニンの色鮮やかな色素を目で楽しみながら、味わいと健康管理を意識すること。
日ごろからの目のいたわりを心がけたいものですね(´・ω・`)