カラムシ(苧麻/ちょま)の薬草としての力

カラムシ(苧麻/ちょま)の薬草としての力

沖縄では宮古上布の原料糸として有名なカラムシ。
またはマオと呼ばれています。
方言名はウーベー、ヤマブー、ブーバイなどと言い、
薬草としても利用されてきた沖縄ハーブの一つ。
現代ではなじみが薄い?!かと思いきや、
庭の片隅にいつもびっしりと生えている厄介な雑草でもありました…(; ・`д・´)


重要無形文化財である宮古上布の原料糸

沖縄の宮古諸島ではカラムシ織が盛んに生産されてきました。
歴史を振り返ると言葉にならない背景もあり、
宮古上布が重要無形文化財になるまでの道のりは、
身を削る苦労があったことを私たちは忘れてはならない物語です。

スポンサードリンク


雑草だと思っていたら、じつは栄養豊富なハーブだった

沖縄の民間療法で古くから利用されてきたカラムシは効能にも優れており、
栄養価も高いことがわかっています。

カラムシ/苧麻
葉の裏はモサモサして手触りが気持ちよく、洋服などにくっつくので子供の遊び道具にもなります。

栄養素 100gあたり

  • カリウム 2,200㎎
  • 鉄 13㎎
  • リン 380㎎
  • ナトリウム 29㎎
  • カルシウム 4,400㎎
  • ビタミンA効力 17.800IU
  • βカロテン 32.1㎎
  • ビタミンB1 0.16㎎
  • ビタミンB2 0.7㎎
スポンサーリンク




カラムシの薬効

血中に熱を持つ症状
喀血(かっけつ)※喀血は血液そのものを咳とともに吐く状態
血尿 痔の出血 皮下出血 外傷出血
根、葉を煎じて服用。

妊娠中の異常
胎熱による妊娠中の下腹部痛 胎児不安 性器出血 子宮出血 月経困難、不順など
根を煎じて服用

咳、喘息、痰の出る咳

  • 根を煎じて服用。
  • 喘息の場合は砂糖漬けにした根をよく噛んで食べる

皮膚病、皮膚化膿症

  • 生の根を砕いて出る汁を服用、または患部に塗る

水虫

  • 葉を煎じた汁で患部を洗浄

打身、打撲傷

  • 乾燥させた茎と葉を炙り、酒に入れて飲む。
    または砕いて酒で煮込んで飲む

排尿痛、軽い腎炎

  • 根を煎じて服用

乳腺炎

  • 根を煎じて服用

喉に刺さった魚の骨抜き

  • 根をすりおろし、魚の煮汁に入れて飲み干す

試食は、硬くて困難でした

湯がいたカラムシ
湯がいたカラムシ

庭で採ったカラムシを茹でてアク抜くし、千切りにしたものを食べてみました。
しかし、歯ごたえがすごくて、噛み切ることができず断念してしまいました…(>_<)
味はホウレンソウのような風味で美味しいのですが、
炒めても湯がいても嚙み砕くことが困難
わたしのアゴが小さいからか?!
硬い物が平気な人は、挑戦してみてはいかがでしょうか(; ・`д・´)

今度はお茶でリベンジしようと思っています。
その際はまたレポートします。お楽しみに!

スポンサードリンク


まとめ - Summary of the information –

沖縄では宮古上布のほかに、民間療法に利用されてきたカラムシ(苧麻/ちょま)。
医者や薬のない時代、薬草を利用して痛みを和らげてきた先人たち。
その知恵や食生活で、世界でも注目される長寿県であったのは、もう昔のお話です。
医療が充実してきた現在の沖縄の健康や寿命が衰退しているのは、
本当に残念な問題ですね…(; ・`д・´)

参考サイト:宮古織物事業協同組合