犬のトラウマに同情は効かない?しつけの心構え

犬のトラウマに同情は効かない?しつけの心構え

うちのゾンさんは、生後数か月で病気で手術して、
それから性格が獰猛になって、人になつかなくなったんだよねぇ…。
きっとそのトラウマがあるんだはず。

そんな言い訳をしてきたゾンピンです。
犬の名前はゾンさんです。
ややこしいですね。
みなさん、こんにちは。こんばんは。おはようございます。
これは、以前わたしが勘違いしていたお話です。

 犬のトラウマ

人も犬も同じだと考えてしまうことがあります。
しかし、ここは冷静に。
犬は話すことが出来ません。
記憶力も人には及ばない。
なのに。
あたかも犬の気持ちを代弁するような気持ちになるのは
人の同情心、優しさ、勘違いからなるものかと思われます。

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 性格が獰猛になったのはトラウマだけじゃない

ここに、突然一匹の犬がいたとします。
普通の犬です。
過去にあんな経験やこんな経験、そして今なにを考えているのか。
犬が話さない限り、見ただけではわかりません。
ない記憶を探しても、答えは永遠に見つかりません。

結局のところわかっているのは、
今、ここに犬と人がいる。
それだけなのです。

触ろうとすると、警戒する犬。
わかっているのは、
不安と警戒心。
でも、その不安は犬の不安?人の不安?
どちらも不安と警戒心があらわで、わけがわかりません。
それが、勘違い、同情などよけいな感情が
お互いの波長を狂わせるのかと思われます。
過去を思い出しているわけではなく、
今、目の前の人間に怯えている。
問題は”今起きている現状”にあるのです。

Miniature Pinscher

 危険なのか安全なのか

細かいことは記憶できないにしろ、
犬には経験からの警戒心が備わっています。
連想ゲームのようなもので、
虐待を受けた経験があれば、人は危険な生き物。
大きな犬に襲われた経験があれば、大型犬は危険。
”されたこと”、ではなく、
”何が危険なのか”
端的なイメージに繋がると考えられます。

ミニチュアピンシャー

わたしのゾンさんのように、
病院に行く→おしりに温度計→痛い=人が嫌い
人が嫌いというキーワードが最後の答えになったままなので、
人に噛みつくという最悪な状態になってしまいました。
そこに拍車をかけて、
病気→手術→かわいそう→シツケより優しくしないとね
人は怖い→近寄らないで!→威嚇すると人は大きな声を出して興奮する→喜んでいるみたい→だから噛んでもいい
人に噛みつくというシツケを諦めて、放置してしまいました。
やってはいけないことです。
わたしは最低な飼い主です。
被害者のみなさま、本当にごめんなさい。

本来のスタートはこうです。
人に噛みつく→興奮状態をとめる→注意をそらす→犬の視界から標的をさえぎる→飼い主は何事もなかったように気にしない。

噛みつく理由や心境は過去のもので、覚えてはいません。
残っているのは行動。
行動を正さないと、犬はずーーーっと獰猛のままです。がぶっ。

不安はこうやって解消
わたしは、過去の出来事からの同情を切り離し、
飼い主としての地位を獲得しました。
長い長い闘いでした。
たくさん泣きました。今となっては放置したツケだと思っています。

 行動で示した3つの習慣

  • 勝手に膝にのせない。
  • 散歩に行くときは主導権を握る。
  • 家に入るとき、出るときは人が先。

人が優先であることを徹底しました。
そしてむやみに触らないように、犬として尊重しました。
可愛らしい姿ではありますが、ぬいぐるみではないし、
おもちゃでもありません。
褒めるとき以外はしつこく撫でない。
何よりも本人が嫌がっていたので、
そこを尊重しなければ、信頼を得ることができませんでした。

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 放置すると危険

飼い主のネガティブな感情は、犬に隙を与えます。
飼い主がリーダーの座を降りた!
ルール崩壊。俺がリーダーだ!
俺に近づくな!

わたしのように、トラウマで同情すると血を見ることになります。
怖がる犬には安心感を。
過去ではなく、今の行動を変える努力を。
不安や怒りから解放されたら、褒めちぎる!
でも、ルールを破ったらダメ。
無視。無言の威圧。
正しく健全な犬になるように、導きます。
大変ですが、根気強く、続けます。

 噛んだ時の叱り方

ダメなことはダメ。なのに伝わらない。
なかなかわかってくれない愛犬に
悩まされている方は、いらっしゃいませんか?

暴力では効果がありません。
信頼関係が壊れます。
けして自分に負けないで
体を張って、通せんぼ。
進行方向を防ぐと、犬はごめんなさいと態度で示します。
時間をかけて、威圧します。
しばらく動かないようになったら、
黙ってそこを去り、お叱りタイムは終了。

愛犬が自ら来るまで、相手をしないのがポイント。
大声で叱ると、よけい興奮するので逆効果。
逆に静かに威圧すると、犬は理解できるようです。
暴力はなし。時間をかけて。
強い心で挑めば、絶対伝わります。

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 大きな声で叱るのは間違い

大きな声は犬を興奮させ、
「もっとやれ!!もっとやれ!!暴れろ!」
となります。
やめさせたいのに、挑発としてとらえます。
言葉の内容がわからないため、
大きな声は興奮。
怒りは攻撃。
冷静で低い声は、落ち着き。
声色を感じとり、犬は人間が何を伝えているのかを読み取ろうとします。

 時間との闘い

通じ合えるまで、時間がかかります。
何をさせたいのだろう。
犬は常に窺っています。
しつこくせず、たまには無視しながら、
平常心で。
諦めずに、見守って、態度で伝えます。

犬は、人間のエネルギーを感じ取り、対応します。
怒り、喜び、安全など。
シンプルに愛犬と接するのが、いいかと思います。
トラウマという言葉に惑わされず、シンプルに。
根気強く、愛犬と向き合って生きましょう!

結局のところ、冒頭で話していたゾンさんのトラウマは
わたしの後悔や同情、不安、ネガティブな感情が、
悪いイメージを連想させていたのでしょう。
もうゾンさんはいませんが、今ならわかる気がします。
犬は飼い主の鏡。
飼い主そのもの。
トラウマがきっかけだったとしても、惑わされてはいけません。
多くの飼い主さんにも気づいてほしいと願っています。