うっちんとは|クルクミンの効能と注意点|二日酔いに効果的は本当か

うっちんとは|クルクミンの効能と注意点|二日酔いに効果的は本当か

うっちんとは沖縄の方言で、ウコンのことをそう呼びます。
そして「ターメリック」とも呼ばれています。
カレー粉の材料で使われているスパイスですが、
今回は沖縄目線で紹介していきたいと思います!

 Oregano information

科名 ショウガ科/ウコン属/多年草
和名 うこん
別名 ターメリック/インディアンサフラン/キゾメグサ
学名 Curcuma longa L.
原産地 アジア、アフリカ
草丈 40~50cm
花期 7~8月

 ”二日酔いに効果的”は本当か

”お酒飲みのためのハーブ”とも呼ばれ、飲む前に服用すると
二日酔い緩和の効果があると言われています。
医学的根拠がないのでは?と議論も多いうっちんですが、
ハウスウェルネスフーズ(ハウス食品)により主宰されているウコン研究所で、
アルコール代謝研究が行われ試験が行われました。
気になる試験結果は?!

クルクミン30mgを含むウコン飲料はアルコール代謝において有用である
ことを証明。素晴らしい結果が出ているようです!
個人差はあるかもしれませんが、効果はあるようです。

ウコン研究所 公式ページ

 うっちんに含まれるクルクミン

うっちんの特徴である色素成分。
ターメリックライスやカレー粉の色は、
色素成分であるクルクミンによるものです。
食べる以外では、着物を染めたり(うっちん染め)、
昔の沖縄のお箸の黄色い部分の塗料として利用されてきました。

うちな~んちゅも知らない?なぜ沖縄のお箸が赤と黄色なのか
赤と黄色が特徴の沖縄のお箸。色鮮やかな色彩は謎が多いようです。
iwalani.okinawa

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 うっちんの種類にはクルクミンが入っていないものある

うっちんにはいくつかの種類があります。
さて、これらのうち、
クルクミンが含まれていないウコンはどれでしょうか?!

春ウコン(和名:キョウオウ)
春ウコンは、正式名称を「キョウオウ」といい、
根茎の切り口が黄色です。そのまま口に入れると苦みが強いので食用には不向きだが、
健康維持として使われている。
春ウコンには、秋ウコンに少ない「精油成分」、
「ミネラル」が豊富に含まれているのが特徴。
精油成分は殺菌作用が強く胃の健康を守り、抗酸化作用が強いといわれている。

秋ウコン(和名:ウコン)
夏から秋にかけて白い花を咲かせる。
日本では沖縄で広く栽培されており、根茎の断面がオレンジ色をしているのが特徴。
着物の染料やカレー粉、たくあんの色付けとしても利用されるほど、
色素成分であるクルクミンを豊富に含む。
強い抗酸化力を持ち、肝臓の機能を強化したり、血管の健康を守る効果がある。
クルクミンは秋ウコンに最も多く、春ウコンの3倍以上含まれている。

 

沖縄皇金ウコン(和名:ウコン)
秋ウコンを改良した新商品。
沖縄皇金は長生薬草本社が、長年の研究によって改良した新品種の秋ウコン。
天皇杯の記念式典の際に、
天皇皇后両陛下が直接手に取りご覧になったことがきっかけで名付けられた。

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紫ウコン(和名:ガシュツ)
紫ウコンは、ウコン独特のクルクミンの黄色の色素はなく白っぽい薄紫の根茎を持ち、
シネオール、アズレン、カンフェーン精油成分が豊富。
胃腸薬のような独特な香りが特徴的。
粉末や粒状のサプリメントに加工されるのが一般的。
近年の研究では胃腸の働きを整える作用があるとされ、ダイエットサプリメントとしても使用されている。
クルクミンは含まれておらず、精油成分やミネラル、アントシアニンを含んでいるのが特徴。
古くから血行を良くする働きが知られている。

 

白ウコン(和名:ハナショウガ)
別名ハナショウガと呼ばれる白ウコンは、つくしのような花が特徴。
国内ではほとんど栽培されておらず、たいへん珍しいウコン。
白ウコンには「クルクミン」が殆ど含まれていませんが、
「ゼルンボン」という注目の精油成分が含まれている。
ゼルンボンは香料や抗菌剤、抗ガン剤にも応用できると期待されている成分。

黒ウコン
日本では沖縄で栽培されており、初夏に薄いピンク色の花を咲かせます。
ショウガ科バンウノン属の植物で、根茎の断面は濃い紫色をしており、
クルクミンを少量含む。
ミネラルの一種であるセレンやポリフェノールの一種のアントシアニンも含んでおり、
滋養強壮に良いとされている。

答えは、紫ウコンと白ウコン
黒ウコンには微量ながら含まれているのに、不思議ですねー。
ちなみに、クルクミンの多いウコンは、秋ウコンです。
通常、ウコン→秋ウコンとされているものの、
じつは春ウコンが混在してる場合があるそうです…。
春ウコンは秋ウコンに比べると苦みが増し、クルクミン含有量は少なめ。
グレーなお話でした。

 うっちん(ウコン、ターメリック)利用方法

粉末はカレーのスパイスとして、
食材の色付けなどに使う。
スライスしたものは煎じて薬膳茶として利用できる。
中東や北アメリカでは、ソースやシロップ、
米料理、肉や野菜の色付けに使われる。

食品の染料、缶入り飲料、乳製品、マスタード、シリアル、
アイスクリーム、黄色いケーキ、ケーキのアイシング
ソース、ゼラチン、オレンジジュース、ポップコーンなど。

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 沖縄の昔ながらの使い方

民間療法で活躍
医学的な根拠はないけれど、
医者も薬もない時代に利用されていた方法があります。
例えばこんな感じ。

熱さまし。痔。おでき。腹痛、肝臓、腎臓、膀胱炎など。
単独で煎じて服用する、鶏や魚、豚などと一緒に煎じて服用する、
といった使い方をしていたようです。
沖縄の民間療法では二日酔い緩和よりも、
幅広い症状への万能薬として重宝されていたのが窺えます。

個人的に沖縄らしさ出まくり活用方法はコレだと思います。
うっちん酒。
泡盛に、うっちんを漬け込んだ薬膳酒。
同時に飲むと二日酔いはプラマイゼロ?!
ただただ泡盛大好きな人の為の薬膳酒。
まぁ。飲みすぎると二日酔いは避けられません。
二日酔いになるほど飲まないのが一番ですね。

 現代でわかってきている効能について

世界薬用食粒図鑑によれば、

科学的根拠
抗腫瘍、抗炎症、抗潰瘍作用など、多くの生理活性があることが示されている。
肝臓の保護、傷の治療、コレステロールを減少させる可能性も示唆されている。
治験での効果については、まだまだ研究が必要なのが現状であるが、
ウコンを含むカレーを食べる人は認知症のリスクが低くなる可能性が示唆されている。
アルツハイマー病の改善にも利用できる日が来るかもしれない。

など、まだまだ研究段階のハーブではありますが、
強力な寿命延長効果、
皮膚がん、大腸がん、乳がん、
腎臓がんなどに予防作用についての研究が行われています。

その他の作用

動脈硬化の予防
コレステロールを下げる
消化を助ける
皮膚の炎症

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 うっちんの注意点

まれにアレルギー、胃腸障害などの副作用が起こることがある。
胆嚢(たんのう)に対する強壮作用があるため、
潰痬(かいよう)、胆石、胆嚢疾患、
胆管障害または胃かいよう、胃酸過多には注意が必要。
妊婦には服用させない。

クルクミンは吸収されにくい
うっちんの色素成分クルクミンは油溶性。
水に溶けにくいことから、吸収率が低い。
しかし、クルクミンを微細化することにより
吸収率が増大することがわかっている。

クルクミン摂取→肝臓→胆汁→腸管→排出→肝臓に再運搬。

衣類に色がついてしまったら、ぬるま湯で洗う。
または漂白洗剤で洗うとシミになりにくい。

ウコンが肝臓にいい理由はまだわかっていない

抗酸化、胆汁促進、抗炎症など総合的に働いて、
肝臓への作用を発揮しているのではないか?

さまざまな参考文献からみても、
まだわかっていないことが多いうっちん。
ウコン。ターメリックのなぞ。
そもそも人体の謎が解明されない限り、
わからないことだらけですよね。
しかし!
わかっていることは3つあります。

カレーは旨い!
食べると元気になる!
黄色の視覚効果

やんばるスパイスで作ったカレー

黄色い色には食欲増進、元気になるイメージ、インパクトがあります。
色彩の与える影響は、思いのほか効果的。
飲食店の看板を思い描いてみてください。
黄色が使われている物が多いはずです。
そして、道路の標識、工事現場などでも
注意を促す物にも利用されています。
金運も上がりそうですよね。

というわけで、
沖縄目線で、うっちん、ウコン、ターメリックについての紹介でした。
クルクミンの色素で、皆様の金運、人徳があがりますよーに。
閲覧、ありがとうございました!


参考文献

イギリス王位植物園 キューガーデン版
世界薬用食粒図鑑
出版:原書房
著者:モニク・シモンズ/メラニー=ジェイン・ハウズ/ジェイソン・アヴィング

ハーブ&スパイス大事典
日本語版監修:日本メディカルハーブ協会
著者:ナンシー・J・ハジェスキー
(NATIONAL GEOGRAPHIC)

琉球薬草誌
出版:琉球書房 著者:下地清吉

沖縄民俗薬用動植物誌
監修:飛永 精照 編集:前田 光康/野瀬 弘美
出版:ニライ社

おきなわ 野の薬草ガイド
出版:ボーダーインク 著:大滝百合子