今は10月の半ば。最近、沖縄も秋らしくなってきました。
そんな季節になるとローゼルがチラホラ出没してきます。
みなさん、こんにちは、こんばんは、おはようございます。
ずっとハイビスカスティーの原料はブッソウゲだと思い続けていたゾンピンです。
原料と名前が違うのはなぜなのか?
なぜブッソウゲ(アカバナー)は使われていないのか?
など、今回は「ハイビスカス」と「ローゼル」について、まとめてみようと思います。
目次 -Table of contents-
Oregano information
科名 アオイ科/フヨウ属
和名 ローゼルソウ/ハイビスカス
学名 Hibiscus sabdariffa
原産地 世界各地(/
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ローゼルはあの🌺ハイビスカスと一緒?
簡単に言いますと、ローゼルはハイビスカスの一種で、食用品種。
ハイビスカスティーやジャムなどの原料に使われます。
一般的なハイビスカス(ブッソウゲ)は観賞用として分けて考えられています。
多くの人のイメージは、あの真っ赤な南国の花をイメージすると思いますが、
あの「ハイビスカスティー」に使われている物のほとんどは、ローゼルなのでありました。
じつはハイビスカス(ブッソウゲ)も食べられる
沖縄では一般的なハイビスカスを「アカバナー」と呼び、
昔から観賞用として、薬草(ハーブ)として利用してきました。
沖縄の伝統療法活用術
夏バテ防止
目の腫れ、痛み、眼精疲労
腫れ物、できもの
咳、喘息、風邪のひき始め
便秘解消
花はサラダやティーに利用でき、花びらとレモン汁を加えてジャムを作ることもできます。
ローゼルとの違いは花の形状と、利用部位。
ブッソウゲは主に花びらを使います。
対してローゼルは萼(ガク)を使います。
効能については、色素成分に共通点があることから類似していると言えます。
ローゼル/ハイビスカスはメディカルハーブ
昔ながらの使い方は、まんざら迷信とも言えないなと思えることが多々あります。
現代のようにインターネットというツールがない時代に、
海外での利用方法と沖縄民間療法といくつかの共通点がみられます。
例えば、
- 風邪やインフルエンザの治療
- 解熱
- 咳の緩和
- 肌の修復
主にこれらの効能は上記で記した沖縄で伝承されている内容と共通点がある一例です。
色素成分であるアントシアニンは眼精疲労に効くことは現代の科学で証明されていますが、
沖縄の民間療法では洗眼剤として、目の腫れ、痛みに利用。
飲んで眼を癒すという意味合いではなかったようですが、
殺菌剤として使われていたという点では
目に効果的?ということを先人たちは身をもって知っていたと思われます。
しかし、不思議です。
科学的に抗酸化物質と抗炎症作用のあるポリフェノールが作用していると説明できるとしても
いったい誰が最初に伝承したのだろう?
わたしたち現代人は伝承されたものを実証していくしかできないのに。。。
ローゼルのハイビスカスティーが愛される訳
ハイビスカスティーには大きな期待が盛りだくさんです。
ざっとこんな感じ。特に美容系に強い印象です。
- 美肌効果
- 血流を改善
- 疲労回復効果
- むくみを予防・改善
- コレステロール値を下げる
ハイビスカスティーにはクエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸などの酸味成分が含まれています。
その他、各種ビタミン類やミネラル類、カリウム、アントシアニン、ポリフェノール、アミノ酸などがあり、
メディカルハーブとしてあらゆる可能性を秘めています。
サラッとで説明するとこんな感じ。
ハイビスカスティーに含まれるクエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸、ポリフェノールなどを摂取することで、新陳代謝が活性化。
- 新陳代謝がよくなる→脂肪の分解を促進→肌のターンオーバーの改善→美肌効果
- クエン酸とカリウムで適度な排尿、余分な水分の排出→むくみを予防・改善→美肌効果
- 抗酸化作用を持つポリフェノールが含まれている→肌の老化を促進する活性酸素を除去→美肌効果
- クエン酸やリンゴ酸が疲労物質である乳酸を分解→疲労回復効果
- ハイビスカス酸→アミラーゼの活性を阻害する→コレステロールを低減させる→コレステロールを抑制→血流を改善
もっとわかりやすく解釈すると…
ハイビスカスティーを飲むと、利尿作用が効く。
この現象がおこるまでに、体内で必要な栄養素が吸収されて、よけいなものを排泄。
その一連の流れが肌の改善、疲れを洗い流しているようなものなのです。
飲んで、出す。
人はこれを繰り返し、何を体内に何を取り入れたかで、健康維持に繋げています。
お酒ばかり飲んでいる人。炭酸飲料ばかり飲んでいる人。水を良く飲む人、そもそも水を飲まない人。
どうせ飲むなら体にいいものがいいものです。
ハイビスカスティーにはビタミンCが一日に必要な摂取量の31%、ビタミンB1が85%、鉄48%ほど含まれている。
参考文献
ハーブ&スパイス大事典
日本語版監修:日本メディカルハーブ協会
著者:ナンシー・J・ハジェスキー
(NATIONAL GEOGRAPHIC)
ローゼルの育て方
種から育てるよりも苗から育てるほうがオススメ。
種まきするなら5月頃が最適です。(25℃~18℃)
根の先端が2cmほど露出した状態で、直径、深さとも20cm以上ある鉢に植えます。
日光が好きなので、日当たりの良い場所で。
背が高くなるので、風で折れないように気を付けましょう。
水はけをよくしましょう。
水のやりすぎに注意。
寒さに弱い。
冬は室内に入れ、日当たりのよい窓辺に置くと冬を越せるようです。
(沖縄では外でも大丈夫)
以前、庭に地植えしていたローゼルが毎年育ち、蕾をつけていました。
放置しているほうがよく育っていた印象です。
あなたのお住まいが沖縄なら、
地植えで日当たりがよく、放置できるような環境がいいかもしれません。
ローゼルの実が収穫できるのは秋ごろ。
花は一日花で、夕方には閉じて落ちます。
それから数日(3日ほど)たったあとの若い種を包んでいる萼(がく)ごと収穫します。
旬の時期にみかけたら、ローゼルジャム、ハイビスカスティーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
特にローゼルジャム。最高です。作り方も簡単。最高です。
参考文献
ハーブ&スパイス大事典
日本語版監修:日本メディカルハーブ協会
著者:ナンシー・J・ハジェスキー
(NATIONAL GEOGRAPHIC)
イギリス王位植物園 キューガーデン版
世界薬用食粒図鑑
出版:原書房
著者:モニク・シモンズ/メラニー=ジェイン・ハウズ/ジェイソン・アヴィング
身近な食材や植物で不調を癒す
天然おくすり
出版:Gakken
監修:池田 明子
フラワー&ハーブCooKBooK
出版:ガイアブックス
著者:ピップ・マコーマック
楽しく改善ハーブ&スパイス薬膳
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出版:メイツ
監修:田村 美穂香
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出版:誠文堂新光社
著者:佐々木 薫
沖縄八重山発 南の島のハーブ
出版:南山舎 著者:嵩西 洋子
沖縄の薬草(改訂)
出版:月刊沖縄社
入門沖縄の薬草
出版:ニライ 著者:吉川 敏男